ether2klyのブログ

旅行記が主になると思います。

人口一人の島に行った話④ ~六島~

どもども。「えーてる」です。

 

私は普段旅行(要出典)を数多くしており、ブログになるネタは腐るほど持ち合わせているのだが、なかなか食指が動かず現在に至る。今回、ブログを書こうと思ったのは、かなりレアな体験であったこと、Twitterで記述するにはとても収まりきらないと感じたためである。拙い文章になるとは思うが、見てくれたら幸いである。

ちなみにTwitterは下記のアカウントである。Twitterから見に来てくれた方が殆どだとは思うが一応。

twitter.com

 

さて本題へ。今回ブログとして書くのは、長崎県五島列島に浮かぶ小さな島「六島(むしま)」に訪問した際のレポートである。

 

この回では、ようやく書きたかった六島について記述しようと思う。正真正銘の人口一人の島。(2023年現在)

 

前回のブログ、人口一人の島に行った話③ ~若松島、間伏郷~の続き。

まだ見てない方はこちら

最初から見たい方はこちら

 

 

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六島

ようやく今回ブログを立ち上げたきっかけである、六島上陸レポがかける。まったく、長かったぞ...

六島と調べると、岡山県笠岡市の六島が先に出てくるが、違う違う、そうじゃな~い。

鈴木雅之も歌いながら否定しにかかることだろう。

あちらは笠岡諸島の南にある島。岡山県最南端らしい。郵便局はないので行ったこともなければ現状行く予定も無いが、こちらの六島よりかは人口も居ることだろう。(パッと調べたら70人程度)

 

笠岡市観光協会より引用

 

話が逸れてしまったが、今回行った六島は長崎県北松浦郡小値賀町六島郷、そう、六島は新上五島町ではなく、小値賀町なのである。

小値賀町五島列島北部の小値賀島、そして周辺の島々を行政区域とする町で、人口は2100人程度。

私は小値賀島に上陸したことはなく、郵便局も未訪問。いずれ行くことになるとは思うが、今回六島に上陸したことにより、「小値賀町には行ったことがあるのに、小値賀島に行ったことがない人」というトリッキーな事例となった。津和崎から海上タクシー野崎島の教会を見に行った観光客で、小値賀島には行ったことが無い人がもし居たら、この実績は解除できる。

 

誰でも編集ができるため参考文献にはしてはいけない、でお馴染みのWikipediaサンによると、世帯数9、人口22(2010年10月1日現在)と書かれているが、2023年現在はただ一人。

六島へは、一応定期便が存在しており、小値賀町のはまゆうというフェリーが、一日二回、8時前と15時前にそれぞれ寄港する。

定期船はまゆうの時刻表

小値賀町HPより。笛吹が小値賀島の港。

観光資源がないため、観光客はまず来ない。物好きが行くこともあるようだが、探検のし過ぎで船に乗り遅れたり、迷子になったりと、手を焼かせるケースが何回かあったようで、もし訪問する際は二人以上で行け、とのこと。

 

 

別名「時間厳守の島

この島で遅刻等は御法度のようだ。

この背景には明治時代末期、島民の一人が、予定していた船の出発時刻に遅れ、その間に潮の流れが変わり、船が転覆してしまったという事故が起こって以来、六島では時間厳守、遅刻など言語道断という考えが根付いた。それどころか集合時間の遥か前に集まってしまう、というイキスギエピソードもあるようだ。

国勢調査によると、六島の人口は、全盛期は250人ほどいたようだったが、昭和末期の台風で多くの家屋が倒壊、人がグッと減ったという。2000年は50人、2010年は22人、2018年以降はずっと1人のようだ。

小値賀町役場より



これは余談だが、六島の南にある野崎島という島は、無住島ではあるものの、教会という観光名所がある故、教会の案内人もとい管理人として駐在している人が一人おり、書類上では一世帯一人の島、となっている。というのも、定期便を運航させるために、一人置いているようだ。完全な無人島になってしまうと、定期便が運航できなくなってしまう大人の事情があるらしい。六島は観光地がない故、唯一の島民が何らかの理由でいなくなってしまった場合、定期便は運航されず、完全な無人島と化し、自然に還っていく一途を辿ることだろう。

 

 

いざ、六島

中通島の北端の小さな港町、津和崎郷に到着。

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100人程度のそう多くない集落、学校も今や閉校しているが、新上五島町の最北端ということで、灯台もある故、観光客の往来はそれなりにあるかもしれない。

津和崎港に10時集合だったため、10分ほど前に着き、他の参加者を待つことに。このブログの最初の話①で記述はしているが、この島へ行く理由は一応草刈りボランティアなのである。

サンダルだった私は運動靴に履き替え、汚れても良い服に変更。同行者のななしさんに色々用意して頂いて大変ありがたいと同時にちっとも用意してなくてごめんなさいという気持ちだ。

集まった島へ行くメンバーは、私、ななしさん、津和崎丸の船長、そして中通島に住む島民の方の4名。もっと集まるかと思ったが、まあなんとかなるだろう。顔合わせをし、いざ、人口一人の島へ!

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普段は海上タクシー等で使用しているこの船。定期便で存在しない津和崎港⇔野崎島間で観光客を乗せたりしている様子。小値賀島に行くこともあるようだ。

 

この形って

 

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20分ほど船に揺られていると、目的の島が見えてきた。

突然だが問題。

この島の形、何かに似ていないだろうか?

 

 

 

お分かりいただけただろうか?

そう、である。左が頭で右が尻尾のように見える。故に、六島は時間厳守の島だけでなく、「くじら島」とも呼ばれていたようであった。

 

 

上陸

正真正銘人口一人の島、六島に上陸。

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軽トラでこの島に一人で住んでいる方(Kさんとする)が迎えにきてくれた。鎌や草刈り機を積んで、先に行かれた。

どうやらここは定期便が着く船着き場とは別の場所であった。どうやらかつては定期便がつく港らしい。

雰囲気でわかった。廃村一歩手前。あらゆる場所が「放置」されていると感じた。ここから集落は見えないが、奥に見える坂を上がればすぐに集落ではある。

 

倉庫

 

六島郷水産倉庫と書かれた建物。

一人しかいなければ手入れされることもなく、崩壊気味であった。

港から坂を登ること200mほど、すぐに公民館に到着。
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唯一の島民のKさんはここに住んでいるわけでは無いが、人を招き入れるにはここが広いので、主にここを拠点として我々は動いた。

まずはお昼前まで目的の草刈りボランティアを行った。

Kさんの家の向かいにあるお宅(既に無住)の庭の草が、Kさん宅の塀をも破壊する勢いで伸びてしまうらしく、それをまずは切除してもらいたい、とのことだった。

 

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こう見ると、チェーンソーとかを持ってきたらよかったなぁっと思いつつ、携えていた鎌や鋸で切除する作業を開始した。

自分の努力が明確に直ぐに見えて来る作業は好きだ。代わりになかなか見えてこない長期的な勉強は苦手。受験勉強とか受験勉強とかね。

 

1時間ほど作業を進めてお昼休憩。

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かなり葉っぱはなくなったと思われる。成果が出ただろうか?その場凌ぎではあるかもしれないが、これでしばらくKさん宅に草木が伸びることはないだろう。

 

六島の街並み(?)

家よりも緑の主張が激しい。これはしばらく放置したら道路にも侵食して来るだろう。

 

 

変わった石

公民館まで戻る道中で少し寄り道。

唐突に庭に案内された。既に無住の家だが、何やら石がある。

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一見何の変哲もないただの石だが、叩くとなんと、金属のような音がする。

私はボーちゃんではないので、何という名前の石かは分かりかねるが、カンカン鳴っていた。

これについて、六島分校のサイトの一角、六島の名物にこう記述されていた。

チンチン石

 小金丸光輝くんの家には,チンチン石という石があります。なぜチンチン石と名付けられたかというと,石をたたいたら「チンチン」という金属のような音がするからです。チンチン石は,光輝君のおじいさんが宇久に行ったとき,「珍しい石だ」と思って持ってきたそうです。今も光輝君の家にあるチンチン石は,六島に遊びに来た人たちが珍しい石だといって必ずたたいて帰っていきます。とっても不思議な石です。隕石ではないかという説もあります。

ネーミングは擬音からチンチン岩という名前で六島では親しまれていたようだ。決して卑猥な由来ではない。チンチン電車と言うだろう?あれと同じなのだろう。

これを見るに、つまりは鉄とニッケルの合金の隕鉄のようだ。石のように見えたがこれは金属なのだろう。というか全世界から閲覧可能なインターネットのサイト上に、個人名フルで出しちゃうのね...

今や閉校してサイトも当時のまま何も変わっていないからどうしようもないが...

 

果実

幼少期、皆さんはそこらへんに生えている植物を口にしたことはあるだろうか?

私は割と都会っ子かつ不衛生なものが苦手(泥遊びとかね)だったので経験ないのだが、木に生っているものが気になった。

クワのみ

クワの実というもの。恐る恐る口にしたら、味の薄いブルーベリーみたいな味だった。別名マルベリーというみたいだし、似たようなものか。手がめちゃくちゃ紫になってしまった。

 

お昼

さあさあ、飯だ飯!

とは言えど事前に中通島のローソンで調達したおにぎりとパン程度。飯が無かったら無いでも全然大丈夫な人間なのでね。

しかしながらKさんがご飯を作ってくれていた。なんとまあありがたいこと。

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サザエ、イサキ、そしてパセリの天ぷら。

どれも美味であった。正直サザエはなんとなく毛嫌いしていて食べたことがなかったのだが、嫌いではない味だった。食べ方をレクチャーして頂いたが、中身を取るのに苦戦した。

Kさんが人数分の酒を用意していてくれていたが、同行者の上五島に戻ってからの運転等もあるため、自分だけ飲むのも悪いと思い、遠慮しようと思いきや、すすめられたのでお言葉に甘えて飲んでしまった。ビールは苦手意識があったのだが、ここでスーパードライを飲んで、案外ビールイケるやん!となった。歳食った証拠かな...?

 

少し談笑してから、六島の探索に繰り出した。

 

 

更新ペースも考え、探索編は次の記事とする。更新遅すぎて申し訳ない。

週一更新以上を目安にしたいよなぁ...

 

次のお話はこちら

人口一人の島に行った話⑤ ~六島❷~ - ether2klyのブログ