夜行列車でトルコからブルガリアへ
どもども。えーてるです。
普段は日本国内で郵便局巡りをしてるけど、最近は海外にお熱です。今後とも海外旅行記が続くと思われます。
ついった:@tel_cellphone
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皆さんは夜通し走る乗り物に乗ったことはあるだろうか?
日本国内で夜通し走る乗り物は、バスが主流だろう。大都市間は、毎晩多くの会社の夜行バスが走り、新幹線よりも圧倒的に安いため、重宝される。私も専ら国内では夜行バスを多用する。
また、海に面している都市間での夜行フェリーも存在する。八戸-苫小牧、神戸-高松など、様々な海に面した都市間での夜行便がある。
一方で、現行(2023現在)の定期夜行列車はサンライズ出雲・瀬戸のみで、寝台のみにならず、雑魚寝のノビノビシートですら予約困難な人気列車である。私はケチなのでノビノビに数回乗車した程度しかない。カシオペアだとか瑞風だとかもあるとは思うが、値段が一桁違う。
今の日本で夜行列車に乗りたければ、サンライズしかないのだ。ムーンライトながらは気付いたら消えていた。一度だけ乗ったことはあるが、座席しかないので夜行バスに感覚は近かった。いわゆる座席夜行ってヤツ。かつてはブルートレインとか言って数多く夜行列車が走っていたらしいが、その頃の私は鉄道なども興味もなく。そもそもそういう列車が廃止になったのは私が小学生とかだろう。
「大人になってから乗りなさい」と親に言われ、気付いたらそんな列車は消えていた、というオタクもいるのではないだろうか?
日本では夜行列車はかなりオワコン化が進んでいる。では海外はどうか?
海外には数多くの夜行列車が存在する。なんなら24時間以上運用する旅客列車も存在する。私は以前、ベトナムのダナンからホーチミンを列車で19時間移動(カンヅメ)で、寝れど寝れど着かなかった記憶がある。
鉄道移動
話を戻して、私は長距離移動をするならば、狭っ苦しいバスよりも鉄道が良いと思う。そのため、バスではなく鉄道を選択した。そちらの方が旅情もあると思ったし。ちょっと私欲が入ってるのは認める。
調べると、イスタンブール市街の外れにあるハラキリハルカリ(Halkalı)という駅から、ブルガリアの首都、ソフィア(София)まで走っているらしい。切符はインターネッツ上では予約は出来ないが、イスタンブール市街地のシルケジ(Sırkecı)駅でも買える模様。当日購入でも席が空いているかは不安なところがあった。満席って言われたら泣いちゃう~
当日
イスタンブール国際空港(IST)に着き、市街へ向かう。市街まで鉄道はあるが、2回乗り換える必要がありやや面倒。
空港の駅でICカード的なものを購入したのだが、この機械のUIがなかなかに酷く手こずった。他の観光客も同様に手こずったのか、券売機は行列で呆れ状態であった。
空港からシルケジ駅までは3回の乗り換えを要するが、面倒なので近い駅から観光も兼ねて歩いて訪問した。一部路線は地下鉄延伸工事をしているようで、今後はもう少し乗り換え回数が減るのかな?
シルゲジ駅に着き、切符売り場を捜索。internationalはコチラ的な案内があったので、そこへ。
席が空いている事を祈り、一番安いベッドの席でお願いすると、無事入手。乗車券と寝台券合わせて775.30₺(≒4300円)で日本に比べると破格。というか日本が高すぎる。ソフィアまでではなく、ブルガリア第二の都市、プロブディフまでの値段。
私の名前やら番号が書かれてるところはなんとなく隠したけど切符はこんな感じ。
無事切符も入手できたので、イスタンブール観光に勤しんだ。
テキトーに船に乗って遊覧しようとkaraköy行きの船に乗ったと思ったら、実はkadıköy行きの船で、全然違う場所に連れて行かれたりしたが、それはまた別のお話。
いざ乗車の時
20時からハラキリ駅で発車なので、TCDDに乗って終点のハラキリへ19時ごろには無難に着いておいた。海外で駆け込み乗車するほどハラハラしたくないし。近くのスーパーで食料を調達し、駅で案内を待つ。1930になると案内が開始され、飛行機であるような手荷物検査からの切符の確認。そしてホームへ。
車両
電気機関車はヒュンダイロテム製のE68000。これに乗る前の週に撮り鉄をしていたので死ぬほど見ていた車両。強いて言えばディーゼル車(アメロコ的なやつ)の方がカッコよくて好きだったのだが贅沢は言ってられない。
客車は白ベースに赤と青のライン。日本で言う宇部線のゆうパック色みたいな感じ?
- 国境越え
- 夜行列車
- 人生初ヨーロッパ
ということで、めちゃくちゃワクワクしてた。
行くぜヨーロッパ!
内装
客車は6両。自分の部屋の席は、昼行時はボックスシートで、座席を倒してベッドが出来上がるスタイルであった。2*2ベッド。コンセントは一つだけ。相部屋の方とシェアして利用した。エアコンもある。
相部屋はドイツ人の鉄オタ、ブラジル人の旅人と私の3人。英語で会話出来たので助かった。なんやかんやありインスタを交換。旅してて思うのが、みんなインスタやってるよね。アカウント持ってて損ないと思う。
他の客室を見ても、チラホラ空席はあった。国内完結のアンカラエキスプレスに比べたら乗車率は少ないのだろう。当日でも買えたわけだし。
予定だとハラキリ2000発、プロブディフ0515発だが、海外の鉄道のことだし、もう少しかかると見ている。仮に定刻で到着して5時台に降ろされたとて朝早すぎるので、遅れてくれた方が丁度いい。
夜行列車なわけで、市街を抜けたら車窓は真っ暗。しばらくして車掌が切符とパスポートの確認。乗客名簿に名前を記入。それから2030ごろまでは互いの自己紹介やら旅行の話云々をしていたが、やることもないので、2030ごろに座席をベッド化。就寝。暑がりなのか1人半裸で寝てた笑
国境(トルコ側)
2時半にふと目が覚め、地図を見る。見事に国境にいた。車両は停車しており、トルコ側のイミグレ的な駅で停車していたようで、「Passport Control!」と車掌の声が客車内に響き渡る。偶然早く目覚めていた私は、すぐさま駅へ降り立ち、地下通路を通って駅舎内の警察の部屋へ。
パスポートにトルコ出国印が押された。Kapıkuleと書かれている。ここの駅名のようだ。鉄道で出国すると、機関車🚂マークで良い。てかなんでパスポートの最後のページに押した?順番めちゃくちゃになるのは入出国印あるあるだけれども。後ろを見れば後から降りてきた乗客で行列が出来ていた。列車は暫く停車する事を見込んで、駅舎や車両の撮影に勤しむ。
Kapıkule Tren İstasyonu
しかしまあ気温が低く寒い。15℃くらい。夏だと思って来てるから半袖しかないんだけど?私は半ば震えていた。
気付けば車両がトルコ国鉄TCDDのものから、ブルガリア国鉄BDZのものに代わっていた。いつの間に。なかなかカッコいい見た目をしている。この国でも撮り鉄したいわねとなった。
なんやかんや1時間くらい停車し、3時半に発車。そして国境を越え、初ヨーロッパ最初の国、ブルガリアへ。
ブルガリアだぴょーん!
よく見たらギリシャとも国境が近く、近くには三県境ならぬ三国境がある様子。
国境(ブルガリア側)
今度は4時手前、再び停車。ブルガリアのSvilengradという駅。また降りて警察のところに行くのかと思えば、警察が全乗客のパスポートを回収しに来た。乗客は降りられないパターンで残念。
1時間弱経過。受け取るまで寝られないので早くしてくれ~となっていたが、5時手前に漸く返却。入国印うっす!もっと強く押してくれよ~
相部屋の人は既に寝ていたため私が受け取った。ブラジルのパスポート、初めて見た。というか他国籍のパスポートを見る機会なんてそうそう無いからね。
そして5時過ぎに動き出した。プロブディフ0515の予定だったが、まだ100km以上あるので2時間は遅れるだろう。なんとなくそんなもんだろうと思ってはいたが。日本だったら特急料金払い戻し案件。
トイレ
結局7時ごろ目覚めるも、まだ着いておらず。トイレに行ったが、至って普通の男女兼用の洋式トイレであった。日本との相違点は、トイレットペーパーをトイレに流してはいけない点だろうか。ケツを拭いたらゴミ箱に入れる。詰まり防止なのだろうけど、そう考えると日本はトイレが優秀か、トイレットペーパーが優秀かのどちらか。
軽く身だしなみ整えて、結局着いたのは8時過ぎであった。車掌が着く5分前にPlovdiv!と叫び乗客を起こす。相部屋の人々はドタバタしてた。起こしてあげれば良かったかしら。
プロブディフ
結局3時間近く遅れてブルガリア第二の都市、プロブディフに到着。終点ではないので到着後、程なくして発車して行った。一体ソフィアには何時に着いたのやら。でも遅延したおかげでそれなりに寝れたので良かった。
先頭車両だと思っていたが、気付けば別の客車が前にくっついていた。これはブルガリア国鉄の客車か。めちゃくちゃ落書きされてる。とさでんのアート列車(オブラートな言い回し)かな?
先頭の機関車もまた変わっていた。カッコいい。やっぱ新しい車両より渋い車両よな。どこでもどんどん淘汰されていくから、古いものは貴重。
駅はバス停やら木やらでいい感じに駅舎が撮れない。そして何やら大規模工事をしており駅前道路が一部通行止めになっていた。
通貨
ブルガリアの通貨単位はレフ。私は未所持だったため、テキトーに歩いて見つけた両替屋でユーロを換えた。40ユーロで80レフくらいだったかな?厳密には忘れた
1BGN=80JPYくらい(2023年9月時点)
極度乾燥(しなさい)
そして個人的ヨーロッパ名物を見物。極度乾燥(しなさい)で有名なSuperdryというブランドはイギリスのブランドで、意外といいお値段するらしい。駅近にある店舗はあまりないので、インターネットオタクは覚えておくと良いだろう。私は見れて感動した。
おわりに
話が逸れてしまったが、トルコからブルガリアの夜行列車はこんな感じ。バスとは違い横になれたり、第三者との交流もできて“旅”みは増すと思う。定時性はあまりないので、そこを気にする方はバスの方が良いかもしれない。国境を越える上で、パスポートでの入出国手続きがあるため「寝てたら違う国だった」という体験は残念ながらできないが、深夜に警察のところに行ってスタンプを押してもらう経験も、海に囲まれた日本ではまず実現できないことである。貴重な体験を是非ともして頂きたい。しかしながら、国境を跨ぐ以上はバスにしろ鉄道にしろイミグレ通過時は起こされるざるを得ないため、快眠を求める人は日中に移動するのが望ましいだろう。
おしまい